ダイビングスキル基礎編〜耳抜きその1
ダイビングにおける重要スキル~耳抜き(耳の圧平衡)
ダイビングをはじめた時にぶつかる壁の一つ「耳抜き」。この「耳抜き」という言葉はダイバーでなくても聞いたことがある人も多いと思います。
例えば、飛行機に乗っていて着陸態勢に入って高度が下がってきたときや、高層ビルのエレベーターで最上階から一気に下の階に降りていくとき、車で高い山の頂上から下に降ってくる時など、耳が詰まったような違和感を感じたことがあるかと思います。場合によっては耳が痛くなった経験のある人もいるかもしれません。
そんな時、どういう風にして対処していますか?
「唾液を飲み込む」と答えられる人が多いと思います。それが、「耳抜き」です。
この耳に感じる違和感や痛みは、気圧の変化によるもので、気圧の低いところから気圧の高いところに移動する時に感じます。鼓膜が気圧の変化によって外側から内側に向けて押し込まれています。それによって耳が詰まったような感覚になるようです。
スキューバダイビングの場合の気圧の変化は、飛行機や車に乗っている時の気圧の変化よりも変化の割合が激しくなります。
陸上の場合は、標高1000mの差で約0.1気圧変化するそうですが、水中で0.1気圧変化する水深はたったの1mです。富士山の山頂から地上に降りてきたら約0.4気圧の変化がありますが、水中ではたった4m深く潜るに過ぎません!水中ではそれだけ気圧の変化よりが大きくなるので、この耳抜きのテクニックがとても重要です。またできるだけこまめに耳抜きを行うことが必要になります。
耳抜きをやらないまま、もしくはやったもののうまくいかない、きちんとできない状態のまま深いところへ潜っていくと耳が痛くなってきます。
ダイビングをはじめたばかりの頃は、潜降するのに必死で耳抜きが疎かになりがちです。そのため少し潜ると耳が痛くなってしまうという悪循環になります。潜降と耳抜きは切っても切れない関係にあります。潜降がうまくなりたい、もっと早く潜降できるようになりたい、という人の課題は意外と耳抜きにあることもあります。
耳抜きに重要なのは、耳抜きの方法とタイミングです。稀に耳管が細いなどの理由で耳抜きがもともとできづらい人もいるそうですが、やり方とタイミングに気をつけていけばほとんどの人は改善されています。
長くなりそうなので、耳抜きの方法とタイミングについては、別に記事を書きたいと思います。
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