ダイビングスキル基礎編〜耳抜きその2
ダイビングでの耳抜きのやり方
耳抜きのやり方は1つではありません。陸上で耳抜きするときは、唾を飲み込む方法でやる人が多いようです。
耳抜きには大きく分けて3つの方法があります。
耳抜きにはいろいろな方法がある
1)フレンツェル法
鼻をつまんで舌根(下の奥の方、付け根のあたり)を持ち上げるように動かす方法。一番耳に優しく負担の少ない方法と言われています。
2)トインビー法
鼻をつまんで唾を飲み込む方法。鼻をつままずに唾を飲み込むだけで耳抜きができる人もいるようです。
3)バルサルバ法
鼻をつまんで、口を閉じて鼻に空気を送り込む方法。一番有名な方法です。
4)あごを動かすなど
あごを動かしたり、あくびをかみ殺すような動作でできる人もいるようですが、ダイビング中はレギュレータのマウスピースを口でくわえているため、やりづらいと感じる人が多いようです。
耳抜きのコツ
どの方法も気圧の影響で外側から内側に押し込まれた鼓膜を元の位置に戻す作業になります。
唾を飲み込む方法(トインビー法)や舌を動かす方法(フレンツェル法)やあごを動かす方法は、鼓膜や耳管の周辺や首のあたりの筋肉を動かすことによって耳管を広げたり押し込まれた鼓膜を元の位置に戻しています。これらの方法でできる人は、耳抜きができやすい人と言ってもいいかもしれません。
鼻をつまんで鼻に息を送り込む方法(バルサルバ法)は、気圧の影響で内側に押し込まれた鼓膜や圧迫された耳管を鼻から空気を送り込むことで耳管を広げて鼓膜を元の位置に戻します。
鼻から空気が漏れないようにすることが重要です。陸上でやるときは鼻をつまんでやりますが、ダイビング中はマスクを装着するので鼻をつまむことが難しくなります。鼻をつまむというよりは、鼻の穴を塞ぎ、空気が漏れないようにすることを意識してください。その時に、マスクのノーズポケットのシリコンを下から鼻に押し当てて塞ぐと良いでしょう。最近のダイビング用マスクはシリコンが柔らかく改良されてきていますので、耳抜きもしやすくなってきています。
キチンと鼻がつまめたら次は息の送り込み方です。鼻をつまんだまま口を閉じます。舌を上顎にピッタリとくっつけて口から空気が漏れないように気をつけます。最初は少し意識しないと、レギュレータのマウスピースをくわえているのでうまくいかない人が多いです。そして、空気を送り込むときはフンッ!と強く一瞬で吹くのではなく、ゆっくり長く吹き込みます。新しい風船を膨らませる時に最初に少し力が必要でゆっくり膨らんでいくと思いますが、そんなイメージです。耳抜きの時もゆっくりじわーっと耳管を開いていくイメージで行ってください。そうすると耳の奥で音が聞こえます。文字で表現するのはちょっと難しいのですが、いろんな方の表現を聞いていると、「バリバリ」「キュー」「シュー」など様々ですが何か音が鳴ると思います。
両方の耳が同じタイミングでできるとは限らず、片方はできるけど、片方はできないということもあります。できづらい方の耳を上に向けてやるとできやすくなるという人もいます。
片方の耳を上に向けるとできやすくなるという人もいます。上の写真は、上に向けているつもりだけど、ほんの少ししか傾けていないダイバーさん。水中では自分の体がどうなっているかは分かりづらいものです。
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